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家族計画の実行にあたって
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結婚生活に入るどいうことは、→面、男性
と女性の結合によって子孫を残そうとする行
為であるといえましょう。
妊娠することをきらい、妊娠、出産、育児
につなぶる女性の仕事を非常に重荷に思った
りするのは、大変な思い違いではないでしょ
うか。
ずばり医学的に考えてみても、男性も女性
も、成熟して一人前になれば、子どもをつく
るように体のしくみができあぶります。
もっと具体的に、女性の生理現象から説明
けいかん
しますと、子宮頚管には頚管粘液があり、ふ
ちつ
だんはかたく、膣の中の細菌が子宮に入らな
いように防ぎ、その時期は精子さえ通らない
ようになっていますが、排卵の時期、つまり
妊娠可能な時期になると、やわらかく透過性
になり、受精の準備として猜子をとり込もう
とします。
また、男性の側から見ても、たいていの男
性は、一度の性行為で、三~五億というおび
ただしい精子が排出されますコっまり、どん
な人でも、子ど竜をつくれるよ5に体のしく
みができており、能力が与えられているわけ
ですっ
一方、心理的に見ても、男性は支配し、女
性は服従しようという気持がありますが、性
生活においての、その関係は、妊娠させるこ
と、妊娠することを媒介にしているといって
よいでしよう。
わずか、これだけのことを考えてみても、
男性と女性が結婚によって子孫を残そうとすF
るのが、ごく自然であり、厳然たる事実であ
ることがわかると思います。
ですから、この自然の行為に反する受胎調
節が好きな夫婦は、おそらく一組もいないで
しょう。そして、健全な夫婦であればあるだ
け、受胎調節などやらないほうがよいにきま
っているのです。、
しかし、自分たちの家庭のおかれている立
場や、環境や、その他いろいろの事情のため
に、夫婦が協力して、やってゆかなければな
らないのが、家族計画のための受胎調節なの
です。
生命を産み出そうとする夫婦が、ときに産
まないために、自然の感情に反し、肉体的に
も不満を感じる受胎調節に努力しなければな
らないのですから、とうてい、いいかげんな
中途半端な覚悟では、家族計画を計画どおり
にやりとげていくのはむずかしい乏いうこと
を、くり返し強調しておきたいと思います。
家族計画をどう立てるか
これから結婚なさる方々が、家族計画を立
てるための具体的な手がかりになることを、
考えてゆくことにしましょう。
はじめの子どもはいつ産んだらいいか、そ
して何人を何年おきに産んだら、母体のため
にも、生まれてくる子どものためにも、家庭
のためにも幸福といえるでしょうか。
自分たちの結婚の形態や、おかれている立
場などを、家族計画との関連のうえでじっく
り考え、答えを出してゆかねばなりません。
共かせぎの場合は
たとえば、「結婚しても共かせぎで」という
方針ならば、それなりにh二人の収入と生活
費との振り合いを考えてみるなり、あるいは
また、これからの自分たちの家庭設計を検討
してみて、当分は子どもをつくらない立場を
とるのか、いっさいそういうことを考えず、
すぐ妊娠してもよいのかどうか。
また、赤ちゃんが生まれたら、妻が職場を
離れて育児に専念できるようにするのかどう
か。もし、子どもが生まれても共かせぎをつ
づけてゆくつもりだったら、子どもの世話を
する人のことや、育児のための施設のことな
ど、いろいろな問題が一度にもちあがってく
ることを考えねばなりません。そのために、
早めに対策を立てておくことが、共かせぎの
場合は特に大事なことといえましょう。
停年のことも考えて
共かせぎの問題とと竜に、勤人には停年の
問題があり、これが、家族計画を立てるうえ
で、大きな制約をもつことを考えなければな
りません。ある官庁に勤めている人が、男の
子がほしく、やっど四人目に待望の男の子が
生まれて大喜びしたものの、停年が間近に迫
っていて暗然ピしたという例もあります。現
実には、どうしても無視できない問題です。
いま仮に、子どもを三人もつとして、停年
の五十五才までに全部大学を卒業させてしま
いたいという計画を立てたとしますと、いち
ばん下の子どもは、父親が三十四才になるま
でに産んでおくことが必要です。
男性が三十四才までに、子どもを四年おき
に(大学に二人同時に通学させる負担を考え
て)三人とすれば、二十六才のどきまでに、
第一子をもたなければならないわけです。も
し、三年おきでよければ、二十八才のときま
でに第一子を竜てばよいことになります。
はじめの場合を考えてみることにして、男
性が二十二才で大学を出て、二十四、五才で
結婚し、二十六才で最初の子どもをもつー
こういう設計図は可能でしょうか、経済的な
ことを含めてかなりむずかしいという答えが
出そうです。いきおい、子ど竜の数は二人く
らい、せいぜい三人までという、新婚の人の
平均した考え方が、こういう点から導かれて
くるのではないでしょうか。、
二五〇人の方のアシケートは、次の表のど
おりで、二人か三人を望む人が九〇四%と
いう圧倒的な数を示しています。
最初の子どもはできるだけ早く
結婚して、最初の子どもをもつことを、は
っきりした計画もなくて漫然と先へ延ばすの
はやめたいものです。流行のように、何が何
でも最初は受胎調節しなければと考え
ないでほしいと思います。
女性の体は、性生活に入ることによ
って、急激な変化が起こり、どうして
」も婦人科的な疾患の起こりやすい状態
になりますし、虫垂炎や腹膜炎を起こ
して、不妊症にならないとはかぎらな
いのです。
ことにY女性が二十八、九才で結婚
二人か三人の子ども
した場合は、すぐ妊娠しても出産が三十才に
なりまナし、二十四、五才で結婚しても、ま
だ早いからとのんびりかまえているうちに、
三十才を越してしまうこともありがちです。
高年初産は、乳児の死亡率も高く、お産も
むずかしくなることは、統計にもはっきり表
われています。
みすみすしなくともよい高年初産になるよ
うな愚は、避けたいものです。
はじめの子どもは、できれば二十代の安全
な時期に産むようにしたいものです。
間隔を適当に産む季節も考えて
年子で産むよりも一年おきに、一年おきよ
りは一一年おき三年おきのほうが、母体のため
によいことはいうまで竜ありません。
妊娠や分娩億、よくいわれるように、生理
的なもので、病気ではないかも知れません。
しかし、それにしても、卵巣から出た目に見
えないような一粒の卵子が精子に合って受精
し、子宮の中で発育して生まれ、生後一年間
に、母親のお乳を飲んで、約九キ。の赤ちゃん
に育つのですから、この間の母親としての苦
労は、実際、なみたいていのものではありま
せん。
妊娠や分娩は生理的なもの、哺乳は女性の
体に備わった力といっても、それぶ何の犠牲
もなしに行なわれるものでないことは、いう
までもありません。
赤ちゃんが乳離れしたときの母親の体は、
文字どおり疲れきっています。しかも、その
母親の疲労がまだ充分回復しないうちに、(と
きには哺乳という大仕事をしている最中に)
もう次の妊娠という大事業を一方で始めたの
では、母体はすっかり疲れきってしまうでし
ょう。
もちろん、休むことなく次から次へと妊娠
し、お産をしたからといって、必ずしも健康
をそこねるとはかぎらないし、病気になるわ
けでもありませんが、休むことなく母親にか
かる負担は、それだけ早く、母親から若さと
、生命力を失わせます。
家の中のだれ一人弱くてよいことはありま
せんが、ことに中心になる母親は、いつまで
も若々しく健康であってほしいものです。
その意味で、いわゆる「七、五、三」でなく
て、「七、四、ごの間隔のほうが望ましいわ
けです。
しかし、間隔を必要以上とることは、あま
レよいことではありません。
第一に、全体の計画から見て、とかく高年
のお産をしなければならなくなること。
第二に、母体の変化で、続発性(二次)不妊
症になり、計画どおりの妊娠が望めなくなる
恐れがあるからです。、
間隔を考えると同時に、産む季節も問題に
なります。なぜなら、寒い時期のお産は妊婦
の死亡率が高いし、一年未満で死ぬ赤ちゃん
は、十二、十桶、二月の順に多いからです。
寒い時期は、妊婦にとって竜、赤ちゃんにと
っても、悪い条件にあるといえましょう。
また、冬生まれの赤ちゃんは、ちょうど離
乳期が梅雨から夏のころになりますから、乳
児死亡率のトップになっている下痢腸炎の危
険にさらされるわけで、この点から屯冬生ま
れは不利といえましまう。
いちばん多く誕生日を迎えるのは、五、六、
四月の順で、このころに産むのが理想的なの
ではないでしょうか。
しかし、農家の場合など、最も忙しい時期
にかかり、ゆっくりお産などできず、産後の
養生が不充分に抜ったり、r共かせぎの妻にと
っても、仕事の関係などで、そういうよい時
期の出産が望めないこともあるでしょう。た
だ産婦にとっても、赤ちゃんにとっても、寒
い時期は条件が悪いということを、考えに入
れておくのは大事なことです。
「計画は絶対」でしょうか
しかし、どんなにしっかり立てた計画でも
計画どおりゆかず、受胎調節の失敗で妊娠す
ることがありましょう。
そのとき、妊娠したのがまちがったとか、
非常にまずかったというように考えるのは、
自分の立てた計画透絶対のものと思うために
起こります。
ある保育園の保母さんが、保育上いちばん
むずかしく、問題の多い子は「欲せられざる
子ども」だと、その経験を語ったことがあり
ます。
計画を絶対のものと考えると、「ほんとう
は、この子は予定外だった」とか、「もう一、
二年先に生ま乳てくれたらよかったのに」と
か、子どもの前で、不用意なことばをもらす
ことにもなりましょう。そのことばは、子ど
もの心の一生の傷になって残るでしょうし、
また、口に出さないまでも、親が子ど竜に対
してそういう感情で接したならば、そこに問
題児をつくる危険ぶあります。そして、ゆく
ゆくは、なごやかな親子関係が望めなくなり
ましょう。
一年早かった、あるいは二年早かったとし
て竜、また、予定外の妊娠であっても、自分
たちの立てた計画が主か、生まれ出る生命が
貴いか、よくよく考えてみましょう。
それによりて、人工中絶をしてしまう、の
か馬あるいは、夫婦ともども喜んで妊娠を継
続してゆくかの態度がきまるわけです。
もともど、この家族計画は、真剣に自分た
ちの生活を見つめて、責任のある判断で、子
どもの数、産む時期、産まない時期をきめる
のですから、それぞれの家庭の事情で、一…様
でないのが当然です。
以上述べたような、いろいろな点を参考に
なさって、あなたの家庭の実情に合った家族
計画を、しっかり立てていただきたいと思い
ます。
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